38年間、養護教諭として高等学校に勤めていました。
全校生徒350人程の小規模校や1,000人近い大規模校に勤め、関わった生徒は3万人近いと思います。
友達や恋人、家族といった人間関係での相談、体に関する相談、勉強や進路に関する相談等本当に様々な相談がありました。
最初は何も話そうとしなかった生徒が、少しずつ打ち解けて自分の話をしてくれるようになる場面に何度も遭遇しました。
生徒の感情をダイレクトに受ける時もあって辛く感じる時もありましたが、暗い表情をした生徒が明るくなって教室へ戻って行く姿は私自身のエネルギーになっていました。
自分の周り明るくする存在でいたいと思っていました。
2019年6月体調不良。
誰かに相談できないまま、管理職に2019年度での退職を申し出ました。
退職を決意してからも精神的に不安定な状況が続きました。
そんな私を気遣い、夫は日曜日になると色々な場所へ連れて出してくれました。
出かける日はよく嵐のように激しく雨が降りました。
そして、不思議なことに嵐のような雨の後には虹を見ました。
虹は神様からのメッセージときたことがあります。
退職という自分の決断は間違っていないよと言われているように思いました。
夫が連れて行ってくれる場所は、神社やお寺がほとんどでした。
「一隅を照らす」の言葉をよく見かけました。
自分が今いる場所で、今の自分ができる事をしなさいと言われているように思いました。
人の支援をしている仕事にいながら、自分の身体のSOSを誰にも相談できないでいました。
そんな状況で、唯一ほっとできる場所が着付け教室でした。
着付け教室には20代の方から70代の方まで、色々な世代の方がみえました。
年齢に関係なく、ずーと昔からのお友達のように親しくなれました。
和やかな教室は、着付けの先生のお人柄からくるものだと思います。
着付けを習い始めた当初から、和によるおもてなしの精神は、カウンセリング技法にとても良く似ていると思っていました。
私がほっとできる場所だと思った時、私が最初に感じたことが間違いなかったと思いました。
和服の着方教室を開こうと思いました。
着物に興味がある方に着物の魅力や、和こころのおもてなしについて伝えたいと思いました。
さあ、着付け教室をするために何からスタートしていいか。
そんな時、ロゴについての講座がありました。
「気軽で楽しい教室にしたい」
「楽しくて暖かい場所を提供したい」
「人との関りを大切にしたい」
「着物を着る人をとにかく増やしたい」
想いはどんどん膨れ上がっていきました。
言葉ではうまく表現できなかったのが、絵ではたくさんの想いがあったのにもかかわらずすんなりとまとめることができました。
ロゴの色にも意味があります。
着物に込めた想いは、母性のような温かい心を表現したくてピンク色にしました。
教室の環境を、純粋で正直な場所でありたいとの想いを表現するため柔らかな藤色にしました。
この場所で一緒に過ごす人たちが、着付けの技術をしっかりと身に付け、また次の誰かに繋げていって欲しいと思います。