着付けは体力をかなり消耗しますがそれ以上に集中力も必要です。
着付けが終わるとホッとして『ため息』が出ます。
原因はからだの中で起こるメカニズムに深い関係があるから『ため息』が出てしまうのです。
『ため息』の正体はリラックス作用で、効果は自分の緊張を強制的にストップさせることです。
着付けに取り組む時は緊張状態になります。
ひとに頼らず自分で着たいという想いが緊張状態にさせます。
緊張状態の時わたしたちのからだは交感神経が優位に働きます。
呼吸が早く、心拍数が増え、血圧が上がり、いつでも活動OKの状態です。
この状態を抑えるもが副交感神経になります。
呼吸が深くゆったり、心拍数も減り、血圧も下がるなどリラックスした状態です。
緊張をゆるめてリラックスするのはなかなか難しいものです。
ところが『ため息』は一瞬に緊張をほぐし副交感神経を優位にします。
『ため息』をするのはからだにとても良いことなのです。
生徒さんは、帯結びが完成してほっとした瞬間『ため息』をつきます。
わたしは大笑いして「しまった」という生徒さんの気持ちを和やかな雰囲気変えるようにしています。
着付けに時間がかかればそれだけ集中状態が長く続きので『ため息』が出るのも当然です。
着付けになれない人なら60分前後の集中はざらです。
わたしには『ため息』が好きな理由が2つあります。
1つはため息が出るほど集中してもらえるなんて講師として光栄です。
2つは『ため息』後の和やかな雰囲気です。
和やかな雰囲気によって生徒さんとの関係性が非常に良くなります。
生徒さんがおしゃべりになってくれます。
スクールカウンセリングで信頼関係ができて生徒が語り始めるような状態に似ています。
ひとの温かみを実感できるとても素敵な時間です。