10年以上も前のお話です。
高校の卒業式を終えた娘が「高校3年間つらかった」と言いました。
「成績は悪いし、部活は学年でたった一人レギュラーになれない。」
「中学でそこそこ優秀と思っていたのに高校では全く通用せず劣等感と戦っていた。」
「学校を出て泣きながら自転車をこいだ。」
「誰にも相談できなかった。」
その話をきいてとてもショックでした。
わたしは、娘が楽しかった事しか話さないから、てっきり学校が楽しいものと思っていました。
「中間テスト後成績が悪いから友達が部活動をする間、体育館に机を持ってきて勉強をさせられた。部活に参加できない事や、自分が惨めに思えて恥ずかしかった。」
「合宿では同級生が練習するのを朝から晩までずっと見学していた。わたしなんて居なくてもいいんじゃないか思いと悲しかった。」
「一人になると泣けてきた。」
「部活をやめれば全てが解決するように思ったけどできなかった。」
「部活の仲間はいつも気にかけてくれた。」
最後まで続けることができたのは仲間のお陰だったと話しました。
娘にとっての高校生活は最悪で消してしまいたい3年間だったのかと思いましたが次の言葉でほっとしました。
「中学校まではクラスの中でも成績が良くて、部活動でも部長を任され自分はデキると思っていたけど、高校に入学してそうではないと思い知らされた。」
「中学校のときのまま大人になっていたら嫌な大人になっていたと思う。」
「今だったら、人の痛みが少しはわかるような気がする。」
「この高校に入れて本当に良かった。」
その言葉をきけて嬉しく思いました。
娘を陰で支えてくれた人たちだけでなく、厳しく指導してくれた先生にも感謝したくなりました。
逆境こそが学びのチャンス。
つらい経験や悲しいできごとの中に、「そこから何かを学ぼう」「それが何を教えているのかに気づこう」とする姿勢を見失わないことです。
こころは絶えず成長し続けており、人生をよりよくより豊かなものにすることができます。
自分のことを話すのは勇気がいります。
勇気を出して話したのに分かってもらえないこともあるかもしれません。
でも、娘のような経験をした大人は世の中にいっぱいいるはずです。
娘を応援してくれたひとは一人ではないし、そのひと達は今、社会に出ています。
分かってくれるひとに出会うのは大変ですが必ずいます。
分かってくれるひとに出会えるまで話をすることをあきらめないでください。